12/5/2021
「本当に日々思うんですけど、僕はテイラー・スウィフトに生まれたかった」
-原田勝弘
本記事は2021年のどもがよアドベントカレンダーの12月5日分の投稿記事です。
どもがよアドベントカレンダーについてはこちら。
昨日の記事はこちら。
そもそも「3Dモデリングの即売・展覧会を仮想空間で展開している」という事自体を知らなかったのでかなりの衝撃だった。よく考えれば需要は普通にあるだろうしモノを考えればコミケやワンフェスのように実地開催する必要はないので当然の帰結といえば当然の帰結。興味深い記事だった。
注意:以下の文章は怪文書です。虚実ない交ぜだったり虚しかなかったり実の雰囲気を残してあったりするかもしれませんししないかもしれません。
序文
本稿は大前提として読者が「どもがよサーバー、Among us部及びクイズ部について十分に理解している」事を前提とする。なお、上記事項の理解が不十分な諸兄はvivit_jc氏執筆、「今年作ったクイズの話 問題、特に水/」を熟読し、冬休み開始までにレポートにまとめて提出のこと。レポートは平常点に5点満点で加点するが、その出来如何によっては追加レポート課題の提出指示または平常点の減点を行う。なお、レポートの提出がない場合は加減点を行わない。
1、「雪子」とはなにか
1-1、「雪子」の基本情報について
「雪子」はどもがよサーバー内における「柳雪(以下、筆者)の内的精神で育成されている女性人格」という設定の仮想人格である。
基本的な設定として
- 筆者が裏声で発話している際の人格は『柳雪』ではなく『雪子』である
- 雪子はあくまで筆者と別人格であり、またそのように努力せねばならない
- 性格は後述するメスガキクイズの影響に引っ張られることもあったが、現在は「メスガキなどのキャラクターを演じている女性人格」と設定され、雪子自身の性格設定は育成途上にある
- バ美肉界隈で言うところの「肉体(キャラクターモデル)」は設定されていない(スライドではFate Grand Orderの「妖精騎士トリスタン」が使用されているがこれはあくまで仮のイメージである)
などがある。
具体的な設定はほぼまっさらに近く、「柳雪が高い声で喋りだしたら雪子になっている」の理解でかまわない。
1-2、雪子の成り立ち
雪子の成り立ちを語るにメスガキクイズを避けて通ることは出来ない。
字面がいかにもNSFWな本クイズであるが、その本質は「出されるヒントを元に提示された音節を含む単語を類推する」というクイズというよりはなぞなぞ・言葉遊びに近いもので、柳雪がかつて家族と移動中の車内で暇つぶしに出しあっていた言葉遊びが元となっている。*1
さらに源流を遡れば、日本テレビ・笑点で有名な大喜利の題としてもありがち*2で、その元ネタの落語の山号寺号(恵方参り)*3がほぼ同様の形態として知られる。
クイズとしての直系*4は以上のように遡れるが、「メスガキ」要素の直接の親は以下のツイートである。
お兄さんキモ~い♥私が死んでも自由は死なないんですけど~♥(イタガキ)
— 鰻田まあち (@M_unada) June 29, 2021
鰻田まあち先生にはメスガキクイズの、ひいては雪子の直接の祖先として感謝の気持ちしかないのだが、いかんせんかの人に繋がる人脈もなく唐突にツイッターのリプライやDMを送ったところで狂人扱いされてシメヤカにブロックされるのが関の山なのでツイートの紹介にとどめる。
こうして古式ゆかしい言葉遊びととあるバズツイートが悪魔合体を起こして生まれたのが以下のメスガキクイズ、そしてメスガキカップである。
「雪子」の人格形成は筆者がメスガキクイズを産み落とした際にその問読みを「女性の声(に近いもの)」で行った方が企画として面白い、というひどく短絡的な考えからボイスチェンジャーを使って問読みをしたことに始まる。
第1回のみボイスチェンジャーを使用したが、途中でトラブルが起きて無理やり裏声を使用して問読みしたところ、ボイスチェンジャーのものより好評であったため*5、以後裏声が定型となり、その後の重賞(メスガキカップ)でも裏声を使用している。
この際、「メスガキクイズを問読みしているのは柳雪ではなく、『雪子』という別の人格である」という設定が誕生した。
2、なぜ「雪子」なのか
2-1、なぜ「女性の声を出している柳雪」ではなく「別人格としての雪子」なのか
これには理由が2つあり、1つは「柳雪にメスガキを演じることが出来ない」ためである。
いわゆるメスガキものと呼ばれるジャンルは「成人男性を性的に誘惑したり嘲笑したりする生意気な年少の女性キャラクターを中心に据えたもの」であるが、残念ながら筆者はこのジャンルに関して無知であり、かつ興味がない。*6
キャラクターを演じる、というのは「そのキャラクターがどのように振舞うか」を十分に理解することが必要だ。しかもこの場合特定のキャラクターでなく「メスガキとしての概念(以下、メスガキ概念)」を演じようとしているため、その概念についての理解が十分深くなければならない。これは筆者自身の信念によるもので見方を変えれば声優やアニオリ脚本に魂が入ってないだの原作を理解してないだの難癖をつけるめんどくさいオタクとそう変わるところはない。違うのは評価対象が他人か、自分かだけである。
ローエングラム朝銀河帝国の農民は祈るときに「アーメン」と言ってはいけないし、米花町の住民は自分たちの携帯通信端末が映画版の時だけスマートフォンに変わることを疑問に思ってはいけないのである。*7
もちろん作問のためにメスガキといわれるモノがなにかについて参考文献*8
を読みはしたが、導き出された結論は「自分にメスガキを演じるのは(少なくとも現段階では)不可能である」だった。成人男性を詰る言葉は生み出せても、それを演じるのは筆者の理解度では荷が重かった。そして興味がないジャンルについてこれ以上理解を深めるには筆者の人生の余白は狭過ぎた。
2-2、なぜ「別人格」か
問題点を整理する。
- エンターテイメント的面白さとしてメスガキの声が必要である
- しかし筆者自身にメスガキ概念への理解度が足りない為メスガキ概念を演じることが出来ない
- かいってこんなことに協力してくれる現実のメスガキなど居ない
1は妥協できない。おっさんの声でおっさんを詰ってもそれは現実の奇怪な再現でしかない。しかし2と3はいじくりまわす余地があった。
つまり「メスガキ概念を筆者自身」が演じるから無理があるのであって、「『メスガキ』とラベルのついたキャラクターを他人」が演じれば問題ない。抽象の具体化と発想の転換、思考法の基礎だ。
しかし他人は居ない。ならば自分が他人になるしかない。
自分の中に他人を作り、そいつに「メスガキとラベルのついたなにか」になってもらえばいい。
かくて、酷く自分勝手な思考の末に雪子は生み出された。
そして自分の中に別の人格を生み育てるという行為は、思わぬ副産物を筆者にもたらし、もうひとつの理由の存在意義を加速させることになる。
続きは気が向いたら。
*1:車中で何かしら耳についた言葉から発展するのが常だった。「グリフィンドールは10点減点」「罰点」「猪突猛進が我らの本懐よ!」「ビッテン」「毎年六本木でやってる展覧会の」「日展」以下延々と続く。
*2:「-なし、-なし」のお題に六代目円楽師匠が提出した「歌丸師匠です」「なんですか」「毛なし脈なし」など多くの傑作が知られる。
*3:どんなものにでも山号寺号がある、と嘯く幇間の一八が次々と「-さん、-じ」となる言葉を並べ立てていく噺。
*4:どもがよクイズ鯖には非常に多くのクイズが生まれている。それらの中には明らかに別のクイズの影響が見られるものや他クイズの嫡子である旨を公言するものもある。筆者はこれらを血統に見立てどもがよクイズの血統図が作れないかと考えることがあるが、ここでは割愛する。
*5:いまだに納得がいかない
*6:こういう風に書くと強がっているわからせおじさんそのものなのだが本当に興味がない。
*7:これらはあくまで概念理解不足の仮想例であり、本当にこういった例があるわけではない。
*8: